こないだ、「ポスト資本主義における『幸せを運ぶお金の流れ』<卒論・序論④>」にも書かれているのですが、もう日本のような国は「お金があれば良い時代」ではなくて、何が価値でどうなっていったらベストなのでしょう、みたいなお話をしていた時にご紹介頂いた本がこちら。
びっくりしました。ちょうど私がぼんやりと感じていた事を何倍もの深さでおっしゃっていて、まさに!!!というジャストミート感です。日比谷線の中で、「うんうん」とうなずいてしまいました。笑 ほんと、うんうんって感じ。
ピンと来たのは、覚えている範囲で大体以下の感じかな~。
・お金に対する価値観のシフト
これは、前のポストにも書いたので、お腹いっぱいなのですが、要するに、The more, the betterの感覚はないよねって話です。
それが評価経済という形で、信用がすべてになっていくのかは分かりませんけれど、わたしは「社会に余裕が生まれた」とくらいに見ています。色んな意味で豊かになった事だし、これを「螺旋的な成長」という表現もうまいな、と思います。それから、インターネットの影響が、ここにも来てるのかな、と。この評価経済を成り立たせる絶対的な基盤ってインターネットだからです。
・世界は急速に自由になっている
「好きなように生きたら良い」が社会的正当性を得る事
これは、自由に生きすぎている私にとって、これ以上ないくらい嬉しい話なのですが、要は、私がこうして世界中あっちゃこっちゃ飛び回って、生活の95%やりたい事しかやっていない状態で我が世を生きているのも、この恩恵なのです。
で、これがもっと進むというのだから、嬉しすぎる。ああ、平成に生まれてほんと良かった。
でも、これにはすごく背中押される思いでした。はっきりと、「これからはもっと自分の人生を生きていく事が可能になる時代」だと彼に言ってもらえたのは、すごく自分の中では大きかったです。
やっぱりまだ「耐えるが美徳」的な価値観はあると思うし、それは私の心のどこかでもしみついている気がします。(私が小さい時からずっとばりばりの運動部だったからかな。)嫌いな事、辛い事、苦しい事でも与えられた事はやり切るのがよいのだ、と。
苦しい事を乗り切るのは非常に重要だし、てかこれなしに成功する人なんていないけど、それは自分の選択でありたい。
で、彼は、”現実と想いのギャップについて「それが大人になるってことだよ」というわかったような言葉でお茶を濁そうとする世の中の姿勢を僕は看過できなかった”と言って、そういう自分の選択で何かを成し遂げようとしている人に対して、それが可能になるプラットフォームを作っているのです。
要するに「好きなように生きたら良い」が社会的に、合理的に正当的に応援されている。すんごく希望が湧いたわ。
そして、社会に出て「大人になるってことだよ」と言われる前に、今はそういう言い訳は通用しない、と知れてよかった。
「I know what I want」が最強
逆に、I know what I wantな状況が最強で、それは自分の好きな事得意な事分かってる人には良いのだけれど、そうでない人には苦しいかもね、のような事が言及されていました。まあ、これは、前はみんな縛りが多い中で生きてたけど、自由になれる人はなるから、相対的に辛さを感じる、という事なのでしょうけれど、こればかりはなあ、自分のことは結局自分が一番わかるからなあ。
かくいう私も、まだまだ自分探し中です。この前の就活でも本当に自分が分からなくなって、(というか今まで何も考えないで幸か不幸か挫折のないまま生きてきて)、ここにきて初めて自分と正直に真剣に向き合って、ようやく見えてくるものがありました。そうなった時の、この根拠のない異様なエネルギーと自信はすごいですのですね。謎に、何でもできる気がする。笑 そして、この自分への問いかけは一生続くのだと思います。
「子供のやりたい事にストップをかけない」
で、1つ現実的な事をいうと、やっぱり教育が重要だと感じます。勉強ではなくて、親の方針というか、やりたい事やらせる事。
私は、両親の唯一のポリシーが「子供のやりたい事にストップをかけない」というものでしたので、アフリカでもどこでも行かせて頂いてましたし(半分事後報告w)、習い事もたくさんしましたし、高校も大学も自分で決めました。
就活も相談すると、「パパわかんないから、自分で決めて」といわれるし、それでも最後に決断を言うと「ママは直感的にはこっちの方がイケてる決断だと思ってたよ」と言われて涙が止まりませんでした。
そんな感じで育ったので、私は応援部のパンフレットかなんかで「自由人宇宙人」と書かれるほどになってしまったわけです。これは「自分で決めて」という親の教育は大きいと思いますし、こういうのが今後ますます求められるんだと思います。
「1つの事をやり切るのがかっこよい」という価値観のシフト
あと、「世界は急速に自由になっている」という中で、もう1つだけ紹介させてください。
それは、「1つの事をやり切るのがかっこよい」という事ではないと彼がおっしゃってた事です。
これもまた、救われた気分で、ものすごく励まされました。
私なんか色んな事に手を出すが大好きで、こうして色んなことをつまみ続けてる感じで、これで良いんかな、と思ってました。
弟なんかは野球一筋で、あれはあれですごいと思ってたのですが、私はちょっと器用な分、色々それなりにやってみちゃえて、1つの事を長く続ける事が美徳、というのがあまりフィットしなかったのですね。
でも、「迷ったら前」というモットーに従って、色んな所に行って色んな事に挑戦してみて、その経験の1つ1つが今の私を作っているなあ、と思うので、それで良いんだというこの言葉にものすごく背中押される思いでした。
・Fintechの可能性について
最後に、1つだけ、私の今の卒論の内容に、超ドンピシャで背筋が凍った事。それは、「Fintechは格差を拡大する可能性がある」という事について先見の明を持たれている事。
私が、この半年、インドネシアやフィリピンやらFintech企業を訪問したり、何十という論文を読んでようやく出来た結論なのですが、
「Fintechの恩恵を最も受けるのはミドル層で、BOPにはなかなか届かない。届いたとしてもそれが彼らの幸せ(学術的にはケイパビリティ)につながるには、テクノロジー以外の要素を含めた包括的なアプローチが必要」なのです。
で、これを彼は、”フィンテックの目的は金融領域の民主化であるべきだと思っていて、そこをもっと意識しないと、フィンテックが盛り上がったところで富むものがさらに富むような格差社会が助長される可能性がある。”と言っていて、ひいいいいとなった。さすがですわ。というか、彼に聞いた方が早かったかなw
ま、これについては卒論の結論と同じ過ぎてたまげた、という以外に言及することはありません。笑
最後に
この本をぜひ私と同じようにこれから社会に出る人に特におすすめします~。
「小さな経済圏」というのがキーワードのようですけれど、私はまあそこにはあまりこだわっていません。インターネットが可能にする国境を越えたつながりってあると身をもって実感しているし、その方が自分的に数千倍わくわくします。
あと、その「小さな経済圏」の1つの体現であるpolcaもまだ実は価値を分かっていません。泣 試しに「東大女子、水圧で空を飛ぶ」という自分的にはちょーやってみたい企画を立てたのに、わずか300円しか集まりませんでしたTT なんじゃい。なんで「電子レンジ買う」が集まって「水圧で空を飛ぶ」はダメなんかしらw
でも、家入さんの考えは共感する事いっぱいです。学びがいっぱいあるので、ぜひ読んでみると良いかも~!
ご紹介下さったK・Aさん、本当にありがとうございました。
アフィリエイトとか全く目指していませんが、便利のためにリンク張っておきますね。