イカ東くんとの昼下がり。ミステリアスな1時間

イカ東くんとの昼下がり。ミステリアスな1時間。

学生生活も残りわずかにして、典型的なイカ東(※’いかにも東大生’の通称)に会ったのが面白かったので、綴っておきます。

卒論を出して、国関事務室(学科の職員室)で興奮冷めやらぬ感じで
「先生、ありがとうございました!Warm heart, cool brain、心に刻みます!」→「はい、お疲れ様。面白い論文だったよね」
と一通り騒いで部屋から出た瞬間、
「あ、そうだ、複製許可書出すの忘れた」と思って引き返した。

ところが、紙を自分で印刷するものだったらしく、あらまと思った瞬間、隣から青年が「あ、僕多めに印刷して余ってるので、どうぞ」と言ってさっと差し出してくれた。

私が「え、良いんですか、ありがとうございます」というと、「ペンもあるので」と言って、カバンから出してくれる。

目の前に事務室のペンがあったが、好意を受け止めるため、使わせてもらった。

で、一緒に部屋を出て、当然エレベーターも一緒で、沈黙も気まずいし、
「修士論文を提出なされたのですか?」
と聞いてみた。

そしたら、
「何言ってるんですか、学部ですよ、僕。ちなみに、僕のこと覚えてません?あ、覚えてないでしょうね。僕はあなたの事覚えてますよ。ちなみに、あなたのおじいちゃんの命日も知ってる

と早口で言われて、えっ?となった。

名前を言われて、あーーそうかそうか、K君か、と、ぼんやりと思い出してきた。

K君は’いわゆる典型的なイカ東で、教室に誰よりも早く来て、誰とも話さず黙々と本を読んでて、話は早口で、いつも敬語で、、、
みたいな子だった。

 

で、普通に一緒に降りてきちゃったし、興味半分、間をつなぐ半分、彼の卒論のテーマを聞いてみた。

そしたら、「古代ローマのプロパガンダ」についてラテン語で研究したそうだ。すご・・イカ東くん、嬉々として話し始めた。

なにせ、国際関係論って、どんなに古くても18世紀の主権国家成立以後を扱うのが普通で、主権国家が出来る以前は’国際関係’もへったくれもないのです。

で、彼はもはや紀元前。笑 教授も誰も適任がいなかったらしく、仕方なくコース主任が引き受けて、アドバイスもほぼなく、そのまま通ったらしい。

と、「わたしも逆だけど同じだw」と盛り上がる。

私は、Fintechについて扱い、逆に、論文さえ全く追い付いていないような、日進月歩の最新のテーマだったのだけど、新しい分野だしもはや国際関係ではないし、私の教授も、私が熱心に骨子を相談しに行った時も、「うん、面白いね、良いと思う」としか言わなかった。笑

しかし、我が教養学部国際関係論コースは、こうした古代ローマを扱う人もいれば、Fintechを扱う人もいて、さらには私の友達は「大正時代の化粧」を研究していて、なんなんだ、この懐の大きさというか、るつぼ感というか、すごく希少な学部であると思う。

 

さておき、話し始めると、私たちすべての面で真逆だから、話すのが非常に面白い。

まず、論文のテーマが時代の定規の端っこと端っこでしょ。

例えば、ラテン語の消滅について語ってくれるんだけど、私は、大ローマ帝国崩壊辺り(世界史でやったな、395年?)で、様々な民族が出てきて??が付き始めた。ゲ、ゲルマン人だっけ??

すると、彼「あなたは’教養’学部なんですか」

このやろ、「あなたこそ、Fintech知らなかったじゃないですか!!笑」と返す。

こんな感じで、お互い興味範囲とか志向性が正反対。

彼は本を大量に読んで勉強して、逆に私は文献はそこそこに、色んな所飛んで現地に足を運んで直接話を聞いて、みたいな。

いかにもローマの1つ1つの土地勘とか建物が浮かぶように話すから、ローマに行ったりしたの?って聞くと、「いや、まったく。よその国は韓国しか行ったことがない。」と言っていた。

何せ、日本語とラテン語しか使えないらしい。生きる化石かこりゃ。

 

でも、話を聞くのは面白くて、「そうだ、わたし今度ローマ行くから、案内してよ!!」っていうと、ぶつくさまんざらでもない。

「パンテオン神殿!そこまで研究したら実際見たら絶対面白いと思うよ~ランチご馳走するから!」というと、やや乗り気になってきた。

いつどこに行くのかと聞いてくるから、「2月、現地集合で。ミラノも行くよ」というと、
「メディオラヌムか。」とぼそっと言う。
私「は?」
彼「いや、ラテン語の旧名。MediolanumはMedioが中央を表し、、、」

ほんとイカ東だわ、、、マジ一緒にイタリア行きたいんだけど

 

で、「私ルルソール行きたかったから」というと、あろうことか、ついてきてくれた!!笑

ルルソールとは、駒場の本当に美味しいパン屋さん(東京で3つの指に入るらしい)。私は美味しいパンが大好きなので、駒場に行くたびに買っていた。

でも、彼は「そんなしゃれたパン屋なんて知らん」との事で、朝からろくに食べてなかった私たちは、パン屋さんに歩いて行った。

買ったは良いんだけど、さすがに、「じゃ、そのまま電車乗って帰るね」とはいかないじゃないですか。

てことで、またキャンパスに逆戻り。木々に囲まれて噴水の周りにベンチが置いてある所に行く。

「ここが私の駒場キャンパス屈指のデートスポットよ。よくルルソールで買ったパンをここで食べてたの。」というと、

「ロシアにある旧ソ連時代の公園みたいだな」と。

おい。。。笑

でも、パンをむしゃむしゃと食べて、
彼「パンってこんなに柔らかいんだ」
私「え、何それ、美味しいって言ってるの?」
彼「ま、そゆこと」
と言う。

んだよ、可愛い所あるな。笑

 

ベンチに座って色んな話をした。

なんなの、こんな典型的なイカ東初めて会った。

わたし5年大学にいて(うち1年はカナダとアフリカで過ごし、今年1年は授業をほとんど取らず海外を放浪したり好きな事やってるため、実質東大生活は3年だけどw)、「東大生も普通の男の子女の子である」というのがファインディングスだったのだけど、これは例外だった。

例えば、最近、現地の大学がローマ時代の原書(ラテン語)をPDFにしてインターネットに無料公開してるらしい。

で、それを、彼は家のプリンターで全部印刷して、自分で製本屋さんに持っていって製本してるんですって!!!

嬉々として画像まで見せてきた。

わたしが「どーするの、それ?メルカリとかで売るの?」って聞いたら、「いや、家に飾って時々読む」って。まじかよ~~~すごいわ~~~~~。

私が話の節々で大笑いしてると、
「いや、母親には呆れられますけどね。僕は、生きる化石なんです。でも、日本で最後の1人になっても人に笑われたい」って言ってた。

彼はこの春から総務省に行くみたいなんだけど、頑張ってね。

 

んでもって、彼はたまに唐突。笑

Vol. 1

話が一段落したかな、と思ったら
「あのですね、1つお聞きしてよいですか?」と言ってきた。

「ん、なに?」というと

よく、外国に行きそうな顔してるって言われません?

「はあ?」

「え、あ、いや、こういう顔の方ってよく外国に行ってる気がする。」

え、え、なに?笑

「ん、うちの家系は全員純ジャパですけど」

「うん、だと思ってます。あ、大丈夫です。」

はあ?お、落ちなし!? 唐突なんですけど。そして彼にしては全くロジックがないんですけど。

 

唐突Vol. 2

「はああ、明日何しようかな」

え、知らん知らんw

「はああ、今晩何食べようかな」

えええ、知らん知らんw

・・・

「僕、朝ご飯は1日40円なんです」

爆笑www

どーやったら40円で1食になるの。

「豆腐1丁だけ食べる」

え、すごいなそれwww で、でも、なんの話!?

 

唐突Vol. 3

「あなたは2年後くらいに新聞に出てると思う」

ま、また唐突、、、。

「え、なんで?笑」
(あなたの方がよっぽどその可能性あると思うけどwww)

「いや、大物感がある」

はあああ?馬鹿にしてんの?あなたに言われたくないわ!!!笑

「あ、ありがとうございます。うれしいです。」これは、ほんと。
「だったらどーなるの?」

「そしたら、僕は自慢できる。この人知ってます、一緒にパン食べました、おじいちゃんの命日知ってますって。うん。」

お、おお、そこはミーハーなんだ(爆笑)w

なんだよ、唐突だな、まったく。

 

てことで、最後、
「では、これで。またお話しましょう。もう会う事はないかもしれないけれど。」

私も、まさかこのご時世に、30人しかいない同じ学科の人の連絡先が分からなくなる事はないだろうと思って、
「はーい、また。」
と別れました。

しかし、彼は生きる化石なので、グループラインにも入らずFBもなく、連絡の取りようがなくなってしまいました。

という事で、またランチにでも行きたいので、国関の人で、K君の心当たりがあって連絡先を知ってる人がいたら教えてくださいな。笑

2 Replies to “イカ東くんとの昼下がり。ミステリアスな1時間”

  1. 短い時間ながら我が息子の相手をしてくださりありがとう。彼は確実に存在します、学生最後の帰省でこのURL教えてくれました。
    また東京に戻りました、4月からがんばれイケ東(イケてる東大生だった)!

    1. こんにちは!コメントありがとうございます!嬉しいです><
      なんと、本人がURLご存知とは思いませんでした、lol 
      「たまにはランチ誘ってね!」とお伝えください~^^

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