Fintechのクレジットアクセス拡大に対する需要(市場分析)<卒論・本論1-2>

本論①Fintechによるクレジットアクセスの拡大

1-2. Fintechのクレジットアクセス拡大に対する需要

従来型の担当者による融資判断や伝統的なクレジットスコアによる融資審査は、過去の履歴を参考にするため、銀行口座を持たない、いわゆるUnbankedの人々に対しては、クレジットアクセスの付与が難しく、なかなか金融サービスが届いてこなかった。

世界銀行によると、約20億人の成人、言い換えると世界の成人のうち42%がフォーマルな金融システムから排除されている。
(参考:http://ufa.worldbank.org/)

 

一方で、特に成長率の高い途上国を中心に、経済発展と共に信用力の高い(credit worthy)なUnbankedの人々が増え、彼らのクレジットアクセスへのニーズが高まっている。

例えば、Deloitte (2015)のレポートによると、インドネシアでは、2013年において、60%近くの与信に足る人々は銀行口座を持っていおらず、そのいわゆる’bankable unbanked’の人々は増え続け、2020年までには1億1300万人にのぼると報告されている。
(参考:https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/sg/Documents/financial-services/sea-fsi-digital-financial-services-in-Indonesia-noexp.pdf)

Otoritas Jasa Keuangan (OJK)によると、国内融資のニーズは1.6兆ルピア(日本円で約133億円;2017年12月7日現在のレート)であり、現在満たされているのはその3分の1に過ぎず、1.035兆ルピア(約86億円)の満たされていない融資需要があるという。
(参考:http://finansial.bisnis.com/read/20160919/90/585107/ojk-fintech-bisa-isi-gap-pembiayaan-rp1.035-triliun)

 

また、フィリピンでも、95%がクレジットカードを持たず、15歳以上の成人人口のうち、銀行口座保有者は31%、つまり約4760万人が口座を持たない。フォーマルな機関から融資を受けている人は成人人口の12%で、これはすなわち6070万人がフォーマルな機関から融資を受けていない事を意味する。インフォーマルな金融業者の金利は20%と非常に高い事を考えると、人口の大半が適正な金融サービスを受けられていない事を意味する。
(参考:http://www.inclusivebusinesshub.org/wp-content/uploads/2016/05/1MyntOverviewv10.pdf
http://datatopics.worldbank.org/financialinclusion/country/philippines)

 

このように、特に成長中の途上国において増えている与信に足るUnbankedの人々を中心に、クレジットアクセス拡大に対するニーズはきわめて大きい。

このクレジットギャップを埋める役割を期待されているのがFintechである。Fintechの融資審査テクノロジーは、そうした人々に、クレジットアクセスを拡大するポテンシャルを持っている。この点について、以降詳しく述べる。

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